婦人科診療
次のような症状に少しでも心当たりを感じたら、お気軽に当院までご相談ください。
早めの受診が早期回復につながります。
月経不順(生理不順)について
生理不順とは
一般的に月経周期は 25〜38日 が目安です。この範囲を外れる場合を「生理不順」と呼び、次のように分類します。
・頻発月経:24日以内で月経が来る
・希発月経:39日以上あく
・続発性無月経:90日以上月経がない
月経困難症とは
月経困難症とは
月経に随伴して現れる病的な痛みや不調を指します。多くは初経から2〜3年頃に発症し、月経直前〜開始とともに症状が出現、月経の終盤〜終了とともに軽快するのが特徴です。
貧血とは
貧血とは
血液中の赤血球やヘモグロビン(Hb)が不足し、全身に酸素を運ぶ力が低下している状態です。
立ちくらみ・息切れ・動悸・倦怠感・頭痛・集中力低下・冷えなどを伴い、日常生活の質に影響します。
女性は月経や妊娠・出産の影響で貧血になりやすく、早めの評価と適切な治療が大切です。
(一般に、非妊娠女性では Hb 12.0 g/dL 未満 が貧血の目安です。)
過多月経とは
過多月経とは
通常より経血量が多い、あるいは出血が長引く月経を指します。
目安としては、夜用やダブルでも漏れる、レバー状の血塊が出る、1時間ごとにナプキンを替えても追いつかない状態が数時間続く、8日以上続くなど。
放置すると貧血や日常生活の質の低下につながるため、早めの評価が大切です。
にきびとは
にきびとは
毛穴(毛包)と皮脂腺の炎症性疾患で、白・黒ニキビ(面皰)/赤いぶつぶつ(丘疹・膿疱)/しこり(結節)として現れます。
思春期だけでなく、大人の女性に多いアダルトアクネも一般的で、生理前の悪化やあご・フェイスライン優位といった特徴を伴うことがあります。
放置すると色素沈着(茶色い跡)や瘢痕(クレーター)につながるため、早期の計画的な治療が大切です。
子宮内膜症とは
子宮内膜症とは
子宮内膜に似た組織が卵巣・腹膜・子宮と周囲の靭帯など子宮以外の部位に生着し、慢性的な炎症や癒着を起こす疾患です。
主な症状は強い月経痛、排便・排尿時痛、性交痛、慢性骨盤痛、月経時の腰背部痛など。不妊の背景に見つかることも珍しくありません。
卵巣に生じた病変は子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)として描出されます。深部に及ぶ場合(深部子宮内膜症:DIE)は、腸管や尿路の症状を伴うことがあります。
子宮筋腫とは
子宮筋腫とは
子宮の筋層に生じる良性腫瘍で、筋層内(筋層内筋腫)/子宮内腔側(粘膜下筋腫)/子宮の外側(漿膜下筋腫)など、位置や数・大きさはさまざまです。
主な症状は過多月経・月経痛(生理痛)・貧血・不正出血・下腹部の張りや圧迫感・頻尿や便秘など。妊娠を希望する方では着床障害や流産リスクへの配慮が必要になる場合があります。
一方で無症状のまま見つかることもあります。
子宮頸がんとは
子宮頸がんとは
子宮の出口(頸部)の細胞がヒトパピローマウイルス(HPV)の長期感染を背景に、前がん病変(CIN2/3・上皮内がん)から浸潤がんへ進行する疾患です。
初期は無症状のことが多く、進行すると不正出血(とくに性交後出血)・褐色/水様性のおりもの・下腹部痛などが現れます。
検診(子宮頸がん検診)とHPVワクチンで予防可能性が高いがんであり、計画的な予防と早期発見が要です。
卵巣腫瘍とは
卵巣腫瘍とは
卵巣にできる腫瘍や嚢胞(卵巣嚢腫)の総称です。多くは良性ですが、境界悪性(ボーダー)や悪性(卵巣がん)が含まれることもあります。
代表例として、機能性嚢胞(卵胞嚢腫・黄体嚢胞)、子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)、皮様嚢腫(成熟嚢胞性奇形腫)、漿液性/粘液性嚢胞腺腫などがあります。
初期は無症状で見つかることも多い一方、下腹部痛・腹部膨満感・尿意頻回、月経との関連症状がみられる場合があります。急な激痛・吐き気は卵巣茎捻転を疑うサインで、緊急対応が必要です。
性感染症とは
性感染症とは
性行為に関連してうつる細菌・ウイルス・原虫などの感染症の総称です。
女性ではおりものの変化、におい、かゆみ、性交痛、下腹部痛、排尿時痛、不正出血などで気づくことが多い一方、無症状のまま進行することもあります。
放置すると骨盤内炎症性疾患(PID)による不妊・子宮外妊娠リスク、妊娠期の合併症、頸がんリスク(HPV)などにつながるため、定期的な検査と早期治療が大切です。
不妊症とは
不妊症とは
避妊せずに規則的な性交がありながら一定期間妊娠に至らない状態を指します。
一般に35歳未満は1年、35歳以上は6か月を目安に相談が推奨されます(既往症や月経不順がある場合はより早期に評価を)。
初めての妊娠が成立しない一次不妊、出産や流産を経てから妊娠が成立しない二次不妊のいずれも含みます。
更年期障害とは
更年期障害とは
卵巣機能の低下に伴うエストロゲン低下を背景に、
のぼせ・ほてり(ホットフラッシュ)・発汗・動悸・めまい・頭痛・睡眠障害といった自律神経症状、不安・イライラ・抑うつ・意欲低下・ブレインフォグ(集中力低下)などの精神心理症状、
さらに膣乾燥・性交痛・頻尿・尿もれ(GSM:閉経関連泌尿生殖器症候群)が現れる状態です。
当院は婦人科×心療内科の一体設計で、身体症状とメンタルの両面から過不足なく評価・治療します。
不正出血とは
不正出血とは
月経以外のタイミングで起こる出血の総称です。
排卵期の少量出血のように生理的なものから、子宮内膜ポリープ・粘膜下筋腫・子宮頸部異常(頸がん・前がん病変)・子宮体がんなど、評価を要する病態まで幅があります。
閉経後出血や性交後出血はとくに精査の対象です。
子宮体がんとは
子宮体がんとは
子宮内膜(子宮の奥を覆う膜)から発生するがんで、閉経前後〜閉経後の不正出血がもっとも多いサインです。
初期には茶色の帯下・水っぽいおりもの・下腹部違和感だけのことも。早期発見で治療選択肢が広がります。
動悸・不眠とは
動悸・不眠とは
動悸:脈が速い・強い・不規則に感じる状態。胸部違和感、息切れ、めまいを伴うことがあります。
不眠:入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠感の低下などが続き、日中の集中力や気分に影響します。
更年期のエストロゲン低下は自律神経の揺らぎを招き、ホットフラッシュや不安感とともに動悸・不眠が出やすい時期です。
当院は婦人科×心療内科の一体設計で、身体と心の両面から評価・治療を行います。
尿漏れとは
尿漏れとは
「トイレまで我慢できない」「せきやくしゃみで漏れる」「夜間に何度も起きる」など、尿失禁・頻尿・夜間頻尿を総称して尿漏れと呼びます。
代表的なタイプは
・腹圧性尿失禁:立つ・せき・笑う・荷物を持つなどで漏れる
・切迫性尿失禁(過活動膀胱):突然の強い尿意で間に合わない
・混合性尿失禁:上記が混在
・溢流性/機能性:排出障害・認知/運動機能低下に伴う漏れ
です。放置すると生活の質・睡眠・転倒リスクに影響するため、早めの評価が大切です。
陰部のかゆみ(シニア期)— 外陰部の掻痒・膣のかゆみ・におい
陰部のかゆみとは
外陰部や膣周囲に生じるかゆみ・ヒリつき・しみる感じの総称です。
シニア期ではエストロゲン低下による乾燥(GSM:閉経関連泌尿生殖器症候群)や尿漏れ・パッド使用の刺激が重なり、慢性化しやすくなります。
放置すると掻破(かきこわし)・二次感染・生活の質の低下につながるため、早めの評価が大切です。
頻尿・排尿時痛(シニア期)— つらい膀胱トラブルの評価と治療
頻尿・排尿時痛とは
頻尿は昼夜の排尿回数が多い状態、排尿時痛は排尿の始めや終わり、尿道・膀胱あたりに痛み・しみる感じが出る症状です。
多くは膀胱炎など良性の原因ですが、腎盂腎炎・結石・腫瘍が隠れることもあるため、早めの評価が大切です。