子宮頸がんとは
子宮頸がんとは
子宮の出口(頸部)の細胞がヒトパピローマウイルス(HPV)の長期感染を背景に、前がん病変(CIN2/3・上皮内がん)から浸潤がんへ進行する疾患です。
初期は無症状のことが多く、進行すると不正出血(とくに性交後出血)・褐色/水様性のおりもの・下腹部痛などが現れます。
検診(子宮頸がん検診)とHPVワクチンで予防可能性が高いがんであり、計画的な予防と早期発見が要です。
主な背景・原因
- HPVの持続感染(高リスク型:16/18型など)が最大の原因
- 喫煙・免疫低下、性的パートナー数の多さ・若年での性体験開始などが主なリスク上昇因子です。
- 組織型は扁平上皮がんが最多、次いで腺がん。腺がんは検診で見逃されやすく、適切なHPV検査併用が有用です。
- 妊娠・出産年齢にかかる方も少なくなく、妊孕性温存を考慮した治療設計が重要です。
必要な検査
- 問診・診察:不正出血の有無、月経以外の出血、性交後出血、帯下の変化、妊娠希望などを丁寧に確認します。
- 子宮頸部細胞診(Papテスト)/HPV検査:一次スクリーニングの基本。ASC-US/LSIL/HSILなどの所見に応じて方針を決定します。
- コルポスコピー+狙い組織診(生検):異常所見時の二次精査。病変の広がりとCINのグレードを確認します。
- 内診・経腟(経腹)超音波:骨盤内の所見を評価します。
- 画像検査(MRI・CT・PET-CT 等):進行度(FIGO病期)評価や治療計画に有用です。
当院にはMRI設備はございません。必要時は提携医療機関で速やかに実施し、画像・結果は当院で共有のうえ分かりやすくご説明します。
治療の選択肢
病期(CIN/上皮内がん〜浸潤がん)、年齢、妊娠希望、合併症を総合して最適解を設計します。
前がん病変(CIN2/3・上皮内がん)
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子宮頸部円錐切除術(LEEP/メス円錐):診断と治療を兼ねる標準選択。妊孕性温存が可能です。
若年でCIN2・妊娠中などでは厳密なフォローを選択する場合もございます。
早期浸潤がん(ごく初期)
- 病変の範囲・深さにより円錐切除で温存または単純子宮全摘します。
早期〜局所進行がん
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広汎子宮全摘+骨盤リンパ節郭清(腹腔鏡/開腹)
妊娠希望例で適応が合えば、広汎性子宮頸部摘出(トラケレクトミー)を高次施設と連携して検討します。
局所進行〜進行がん
- 放射線治療(外照射+腔内照射)に同時化学療法(シスプラチン系)を併用する化学放射線療法が標準です。
補助療法・再発時
- 病理・病期に応じた補助放射線/化学療法、再発時は薬物療法(分子標的薬/免疫療法を含む)を専門施設と連携して検討します。
当院の役割:一次検診(Pap・HPV)から二次精査(コルポスコピー・生検の実施/連携)、治療方針のコーディネート、治療後の再発監視フォローまで、過不足なく伴走します。
高度な手術・放射線・化学療法が必要な場合は、高次医療機関と速やかに連携します。
受診のご案内
不正出血・性交後出血・いつもと違うおりものは、検査のサインです。症状がなくても定期的な子宮頸がん検診(Pap/HPV)で、前がん段階での発見が可能になります。
HPVワクチンについても年齢やスケジュールをご一緒に設計します。まずはお気軽にご相談ください。24時間WEB予約またはお電話で承ります。
必要な検査は当院で速やかに、画像検査(MRI等)は提携先で確実に行い、結果は当院で丁寧にご説明します。
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