動悸・不眠とは

動悸・不眠とは

動悸:脈が速い・強い・不規則に感じる状態。胸部違和感、息切れ、めまいを伴うことがあります。
不眠:入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠感の低下などが続き、日中の集中力や気分に影響します。
更年期のエストロゲン低下は自律神経の揺らぎを招き、ホットフラッシュや不安感とともに動悸・不眠が出やすい時期です。
当院は婦人科×心療内科の一体設計で、身体と心の両面から評価・治療を行います。

主な背景・原因

身体要因

  • 更年期のホルモン変化(のぼせ・発汗に随伴する動悸/睡眠の質低下)
  • 甲状腺機能異常、貧血(鉄欠乏)、電解質異常、低血糖
  • 不整脈(期外収縮、発作性上室性頻拍、心房細動 等)、高血圧・心疾患
  • 睡眠時無呼吸症候群(いびき・無呼吸・日中の強い眠気)
  • 薬剤・嗜好品:カフェイン・アルコール・ニコチン、一部の市販感冒薬・気管支拡張薬 など

心理・行動要因

  • 不安症・パニック発作、ストレス、生活リズムの乱れ
  • 「眠らなければ」という入眠へのこだわりや長時間の昼寝、ベッド上での長時間スマホ など行動性不眠

必要な検査

負担が少ない基本から段階的に評価し、必要に応じて提携検査を組み合わせます。

  • 問診・診察:症状の発現状況(時間帯・誘因)、既往歴・服薬、カフェイン/アルコール摂取、月経・更年期状況、生活習慣
  • 血液検査:血算・フェリチン、甲状腺機能(TSH)、電解質、血糖、腎肝機能、ビタミンD など
  • 心電図(必要に応じホルター心電図・心エコー:提携):不整脈や器質的心疾患の評価
  • 睡眠評価:PSQI/ISIなどの質問票、いびき・無呼吸が強ければ簡易睡眠検査〜PSG(提携)
  • 心理評価:PHQ-9(抑うつ)/GAD-7(不安)、パニック関連のスクリーニング
  • 婦人科超音波:更年期治療(HRT)を検討する際の内膜・子宮・卵巣評価

治療の選択肢

原因・重症度・妊娠希望・基礎疾患を踏まえ、過不足のないオーダーメイドでご提案します。

  • 生活・セルフケア(全員の土台)
  • 就床/起床時刻の安定、朝の光曝露、カフェインは昼過ぎ以降ひかえる、アルコールは鎮静後の中途覚醒を招くため就寝前は避ける。
  • 就床前90分の入浴、寝室の光・音・温度の調整、端末のブルーライト対策などの策を講じます。
  • 呼吸法・ストレッチ・マインドフルネス、ホットフラッシュ日誌でトリガーを把握します。
  • 心療内科の統合ケア(当院の強み)
  • CBT-I(不眠の認知行動療法):刺激制御・睡眠制限・認知再構成で薬に頼りすぎない改善を目指します。
  • 不安・パニックには認知行動療法とエクスポージャー、必要に応じSSRI/SNRI等を丁寧に設計します。
  • 入眠薬はラメルテオンやオレキシン受容体拮抗薬等を中心に、短期・最小量で安全に運用します(相互作用を確認します)。
  • 婦人科的アプローチ(更年期関連)
  • HRT(ホルモン補充療法):経皮エストラジオール+黄体ホルモン併用、ホットフラッシュ改善に伴い動悸・睡眠の質が向上します。
  • 局所エストロゲン:GSM(膣乾燥・頻尿)を伴う場合に併用します。
  • 非ホルモン選択肢:SSRI/SNRI/ガバペンチン等(ホルモンが使いにくい方)
  • 身体疾患の是正
  • 甲状腺異常・貧血の治療、鉄補充、電解質異常の是正
  • 不整脈や器質的心疾患が疑われる場合は循環器と連携し、β遮断薬等の適応を検討します。
  • 睡眠時無呼吸があればCPAP等を専門施設と連携して導入します。

お薬は足し算ではなく、最小限が基本。非薬物療法(CBT-I・生活整備)と原因治療を組み合わせ、再発しにくい状態づくりを重視します。

受診のご案内

次のサインがあれば、早めにご相談ください。
・動悸が頻回・持続する/胸部不快・息切れ・めまいを伴う
・いびき・無呼吸、日中の強い眠気/寝ても疲れが取れない
・入眠困難や中途覚醒が続き、日中の仕事・家事に支障が出ている
・更年期ののぼせ・発汗・不安感とセットで悪化している

至急受診・救急の目安:強い胸痛や圧迫感、冷や汗、失神・前失神、脈が極端に速い/不規則が持続、呼吸困難を伴う場合は迷わず救急要請(119)を。

当院では、婦人科評価と心療内科ケアをワンストップで提供します。
必要な検査は院内で迅速に、心電図・ホルター・心エコー・睡眠検査は提携先で確実に実施し、結果は当院で丁寧にご説明。初期評価から治療・フォローまで、きめ細やかにサポートします。

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