子宮体がんとは

子宮体がんとは

子宮内膜(子宮の奥を覆う膜)から発生するがんで、閉経前後〜閉経後の不正出血がもっとも多いサインです。
初期には茶色の帯下・水っぽいおりもの・下腹部違和感だけのことも。早期発見で治療選択肢が広がります。

主な背景・原因

子宮体がんは大きくエストロゲン関連(タイプ1)と非エストロゲン関連(タイプ2)に分けられます。次の因子がリスク上昇と関連します。

  • 無排卵/エストロゲン優位:月経不順・PCOS・遅い閉経・未産
  • 代謝・生活習慣:肥満・糖尿病・高血圧
  • 薬剤・既往:タモキシフェン内服、異型内膜増殖症の既往
  • 家族歴・遺伝:リンチ症候群(MMR遺伝子異常) など

必要な検査

原因の特定と広がりの評価を段階的に行います。

  • 問診・診察:出血の時期・量、閉経状況、ホルモン/薬剤歴、家族歴を丁寧に確認します。
  • 超音波検査(経腟/経腹):子宮内膜の厚み・内膜ポリープ/粘膜下筋腫の有無を評価します。
  • 未経性交の方は経腹を基本に、必要時のみ経直腸で配慮して評価します。
  • 子宮内膜組織検査(吸引・生検/子宮鏡下狙い生検):診断の要となります。
  • 必要に応じて子宮鏡検査で病変を直視し、精度高く採取します。
  • 画像検査(MRI・CT など):筋層浸潤の深さ・リンパ節や遠隔の評価に有用です。
  • 当院にMRI設備はありません。適応がある場合は提携医療機関で速やかに実施し、画像・結果は当院でわかりやすくご説明します。
  • 血液検査:血算、CA125(補助指標)、代謝・内分泌評価
  • 分子病理検査(連携):MMR/MSI・POLE などの解析が、補助療法や再発時治療の選択に役立つ場合があります。

治療の選択肢

病期(FIGO)・組織型・年齢・妊娠希望・併存症を総合し、過不足のない最適解をご提案します。

  • 外科治療(標準)
  • 子宮全摘+両側付属器切除(腹腔鏡/ロボット支援/開腹)
  • センチネルリンパ節生検/リンパ節郭清はリスクに応じて選択します。
  • 補助療法
  • 病理リスクに応じて放射線治療(腔内照射・外照射)や化学療法(例:カルボプラチン+パクリタキセル)を高次医療機関と連携して実施します。
  • 妊孕性温存治療(極早期・厳格適応)
  • 高分化内膜がん・筋層浸潤なし等の条件で、高用量黄体ホルモン療法(内服/LNG-IUS)を選択する場合があります。
    専門施設と連携し、厳密な内膜評価と短期間隔での再検が前提です。
  • 再発・進行例の薬物療法(連携)
  • ホルモン療法(黄体ホルモン、アロマターゼ阻害薬)
  • 免疫療法(dMMR/MSI-Hに対する免疫チェックポイント阻害薬 等)、分子標的薬併用 など
  • 支持療法・生活設計
  • 貧血・痛み・睡眠・不安のケア、体重・血糖・血圧の最適化、再発サーベイランス計画の作成。必要に応じ心療内科と連携し、治療中の不安・不眠・気分の波にも専門的に対応します。

手術・放射線・化学療法など高度治療は適切な専門施設へ迅速にご紹介します。
当院では初期評価・生検・治療方針の整理/術前後の体調管理/再発監視まで、きめ細やかにサポートします。

受診のご案内

次のサインがあれば、早めの精査をおすすめします。
・閉経後の出血(一度でも要精査)
・月経以外の不正出血/茶色い帯下・水っぽいおりものが続く
・月経不順・無排卵傾向、肥満や糖尿病がある ※リスクが重なる方は定期的な評価をお願いします。

ご予約は24時間WEBまたはお電話で承ります。
必要な検査は院内で迅速に、MRI/CTは提携先で確実に実施し、結果は当院で丁寧にご説明します。検査から治療計画まで、きめ細やかにサポートします。

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